About Mountain Lights

Mountain Lightsは、世界的に著名なイギリス人アーティスト、ブルース・マンローが手掛ける大規模で没入型の光によるアートインスタレーションです。

夏のニセコHANAZONOリゾートのスキー場の斜面に沿うように展示され、ニセコアンヌプリ山の麓を照らす光のインスタレーションは「イルミネーション」という形容には似つかわしくない、ブルース・マンローならではの一つのジャンルのアートフォームであると言えるでしょう。

3年目を迎える2024年には新たに2つの大規模な展示が追加され、作品の世界観がさらに拡張されます。ゴンドラ下車後にすぐに現れる、色が変化する1,000個の光の球「Moon Bloom」と、最大の作品「Arrow Spring」の中間地点に設置され、上空を彩る展示「Prismatic Spring」。これまで単色だったMountain Lightsに色彩と音楽という要素が追加される作品群となります。

マンローがニセコという、火山と雪と氷が悠久の年月をかけて形作ってきたこの土地の、地形学、地質学、神話、そして芸術的観点からインスピレーションを受けて生み出した光のアートを感じてください。日本でブルース・マンローの展示を見ることができるのはニセコHANAZONOだけです。

空と陸からアートを感じる

Mountain Lightsを鑑賞する方法は二つ。会場へ入場したゲストには、まずはゴンドラ乗り場へ向かい、ゴンドラに乗ってみることをおすすめします。山麓に柔らかな渦を描いた光の帯が、山の斜面を登っていく様を上空から鑑賞することができます。

Concept

光は火の現代的な形です。

北海道の先住民族であるアイヌの人々は、火は人を暖め、滋養を与えてくれる、生命にとって最も重要な要素のひとつであると考えました。火の女神カムイ・フチは、アイヌの暮らしに寄り添い、人間の世界と神々の世界を繋ぐ仲介者であり、最も身近で大切な存在とされてきたのです。

一方、遠く離れたオーストラリアでも、アボリジニーの文化の中に類似する伝承が存在します。現在のシドニーとなるエリアに住んでいたトライブは、他者への思いやりと愛しみの心を「 プトゥワ」 と呼んでいました。 自らの手を火に当てて温め、その温もりを他者に伝える行動そのものを指す言葉でもあります。

ニセコの火山が作り出した風景は、雪と氷と火が、私たちの住む地球を創り出すためのダンスパートナーであることを想起させ、地球の熱く溶けた核は宇宙のエネルギーから生まれたものであり、私たち人間もその一部であることを思い出させてくれます。

Mountain Lightsでは、美しく灯る光ひとつひとつに思いを馳せる事で、人間が持つ優しさや共感の心が光を通じて訪れる人々へ伝播する事を願っています。

ー ブルース・マンロー

Mountain Lightsの作品の多くは、24本の光ファイバーケーブルから成る「ファイアフライ(蛍)」と呼ばれるひとつのオブジェクトが基本要素です。ファイアフライが幾重にも連なり、18 万個の光の粒として1.3km続く光の道となったのが最大の作品「Arrow Spring」です。山肌に有機的な曲線を描きながら下る光の筋は山麓のすり鉢地形で螺旋の光の渦となります。火山から流れる溶岩が形作ったこの地を直接的に表現した作品です。

麓のすり鉢地形の淵に沿うように規則的に点在するのが「Future Light」です。植物の萼を思わせる造形のステンレススチールの台座にファイアーフライが集合し反復された作品です。前述した「 プトゥワ」の概念を具象化し、訪問者へ共感と幸福感を伝搬することをマンローが願い造形されました。

2024年公開の新作「Moon Bloom」。この作品はブルースの代表作となり、世界各地で展開されている「Field of Light」を再解釈して創作された作品です。HANAZONOの大地を覆う雪を彷彿とさせ、マンローが直感的にMountain Lightsに加えることが好ましいと感じた作品です。

この作品の1つ目の特徴は変化する色彩。雪の下でじっと待つ植物が春の訪れと共に青々と芽吹くように、これまでは単色だった作品に色が加わり静かに躍動します。

2つ目の特徴は音楽。移り変わる1日の光をイメージした神秘的な音楽が加わることで、この大地と生けるものの生命力を讃えています。

2024年に公開される2つ目の作品が「Prismatic Spring」。Arrow Springの中間地点に位置し、Arrow Springの光の道の上空に釣り下がるように展開される作品群となります。

ファイアーフライを花として纏ったステンレススチール製の「蘭の木」が69本の並木道を形成します。Arrow Springと同じく山を流れる渓流のようにその流れは連続的で反復したものですが、これらの蘭の花は色とりどりに灯り、見る人の視線を地上から天空へと誘います。

視界いっぱいに広がるファイアーフライの空間は作品の世界に更なる没入感を与えることになるでしょう。

Artist

BRUCE MUNRO

ブルース・マンロー

ブルース・マンローはイギリスのインスタレーション芸術家。人間の営みにおける共有体験に着想を得た、没入型の大規模な光のアートインスタレーションで知られる。

Message

私が光という媒体に出会ったのは、美術学校で学び、ファインアートの学⼠号を取得して卒業した後です。オーストラリアでは、ディスプレイサインを製造する会社で働き、その光り輝く紫外光の特性がとても気に⼊りました。私が光を使った作品を選んだのは、純粋で真実味のある媒体を使って仕事をすることで、頭の中やスケッチブックの中にある多くのアイデアを表現することができたからです。

40代前半になると、 製造業の部品を再利⽤した作品や光を使った作品を作るようになり、それがとても個⼈的なものになりました。そのとき、私はいつも他⼈と違うことを⽬指し、他⼈と違う作品を作ってきたのだと気づきましたが、そのときから私は、共有できる体験を探し始めたのです。私は過去40年間、スケッチブックの日記を書き続け、世界との⼀体感を感じた瞬間や記憶を記録してきましたが、それが光で表現できることに気づいたのです。

世界と最も⼤きな意味でつながっていること、本質的なパターンの一部であることの経験が、私の真の主題となったことを明らかにしてくれました。